子供がいない夫婦でも遺言がないと全財産が配偶者に渡らない!?

遺言がないと「義理の兄弟」が登場する

子供がいない場合、相続人は「配偶者」だけではありません。
亡くなった方の両親が既に他界している場合、「亡くなった方の兄弟姉妹(または甥・姪)」が法定相続人になります。

法定相続分の割合

配偶者 :4分の3
兄弟姉妹:4分の1


長年一緒に暮らした自宅や預貯金であっても、法的には「4分の1」は義理の兄弟に権利があるということになります。

実例

Aさん(妻)は、夫を亡くしました。夫婦に子供はいません。
自宅は夫の名義でしたが、名義変更をしようとしたところ、行政書士からこう告げられました。


「ご主人の実印だけでなく、ご主人のご兄弟3人全員の同意と実印が必要です。」


Aさんは驚きました。夫の兄弟とは数年に一度、冠婚葬祭で顔を合わせる程度の付き合いです。
一人の兄弟は「法律通り4分の1の現金をよこせ」と主張。
もう一人の兄弟は認知症で、話し合いすらできない。


結局、Aさんは住み慣れた自宅を売却して現金を工面するか、途方に暮れることになってしまいました。

なぜ遺言書があれば解決するのか?

遺言書に「配偶者に全財産を相続させる」と一言書いておくだけで、状況は180度変わります。


兄弟姉妹には「遺留分(いりゅうぶん)」がないから

「遺留分」とは、最低限保障される相続分のことですが、これは子供や親にはあっても、兄弟姉妹には認められていません
つまり、遺言書で「配偶者にすべて」と指定すれば、兄弟姉妹がどれだけ不満を言っても、法的に全財産を配偶者に残すことができるのです。

さらに配偶者の負担を減らす方法

以下の2点をセットにすることで、配偶者の負担を最小限にできます。


公正証書遺言での作成

自筆での遺言だと死後に裁判所で「検認」という手続きが必要ですが、公正証書ならすぐに名義変更が可能です。


遺言執行者の指定

遺言書を作成する際に、行政書士などを遺言執行者に指定しておけば、配偶者が義理の兄弟と一度も連絡を取ることなく、専門家がすべて手続きを完了させることができます。